2012年5月12日、下見のため金沢から内川ダムに向かい、犀鶴線に入る。T字路を右折して熊走方面に進む。峠付近にある2カ所目の展望台で残雪の為通行不可能だった。
雨の中、何かヒントは無いものか探して彷徨っていると、展望台奥に尾根が緩やかに降りてきていて、道路と交差する所に小径があり送電線を越えて奥まで続いていた。これは使えるかもしれないと思った。
2012年5月20日(石川県)2万5千分の1地形図「鶴来」
下見の時には残雪が道を塞いでいたが、今回は開通していたので、車で送電線下まで行くことが出来た。
そこから延びる小径に誘われる気持ちと、道はすぐにも途切れるだろうという思いに、少し躊躇いながら周囲をあちこち見回した後で、身支度をして標高670mの登り口から9:15スタートした。
新緑の晴天、気持ち良い山なので1日歩ければ良いなと思っていた。
意外と立派な道が続く
暫くは踏み跡がはっきりした道が続いていた。鉈や鋸が入って、目印のテープもぶら下がっていて快適に登っていけた。
徐々に藪が濃くなるが、この程度なら過去に登った山に比べて立派な方だと思う。
地面に埋められた赤い杭は電力会社の管理用の標識だろうか?。
標高850m、三角点「二輪」の手前で凹地に雪が残り、一時的に歩き易い所が続いた。
三等三角点(二輪)の周囲は雪が消え、石標が確認できた。すぐ上の樹木にペンで△898.7mと書かれていた。
三角点からは東にやや顕著な下山路が延びている。道がこの尾根を降りているとすると標高530mで送電線と犀鶴線の交差する所に出るだろう。
南へ少し不明瞭な踏み跡が続いていた。三角点を過ぎて南下を始めると、今までとは変わって猛烈な藪となる。我慢して押すしかない、気合いを入れて踏ん張らないと押し戻されるような藪漕ぎだった。
尾根上は草木が生い茂り方向を見失う事もあった。尾根の分岐点にはピンクテープを連続数本ぶら下げて帰路の目印を付けた。
足下にある獣道を探しながら、少しでも藪の薄い方を探して進んだ。2回尾根を外してしまい、戻って探し直す事になり30分程時間と体力をロスしてしまった。
山頂直下、コルから頂上へ向かう最後の登りになってからは、尾根に小さな凹状の地形が続いていた。膝を付いて這いつくばって進んだ方が早かった所もあったが、凹地はブッシュが無くて助かった。
13:00頃、一番高いところを通り過ぎ、山頂を踏んだのは間違いなかろうと思ったが、はっきりとした山頂の証が欲しかった。
20分間、おにぎりを片手にウロウロした。諦めかけた時、樹上に木製の標識を発見した。ほっと一安心して下山を開始した。
下山中も1回尾根を外してしまったが、事なきを得た。三角点「二輪」からの下りに入ると安心感がぐっと増した。石川県の春の山でよく見かける花たちと戯れながら下山していく。
今回の山行は雪が消えて、明らかに時期を逸していたと思う。 少し強引でこんな登り方では普通うまくいかない。来年の早い時期に再挑戦するのが普通だろう。藪の中に3時間以上も居たので最後は少しペースが落ちて、車着は16:00だった。