2006年6月26日 朝日連峰 (山形県)
6月25日朝から必死に運転して夕方、月山ICに着いた。日暮沢の登山口から登り竜門岳、西朝日岳、大朝日岳と登り、小屋で一泊。翌日、小朝日岳、古寺山を経由して日暮沢に戻って来る予定。日暮沢の小屋前で車中泊したが、他の登山者はいなかったので静かな夜だった。
5:20小屋前からスタートして、木の根の這った急登に一汗かいた。
尾根道になって7:25標高1000m付近から雪が所々で登山道を覆うところが出てきた。
尾根を3分の1ほど登ったゴロビツの水場に着いたのは7:40、水は充分持っているので先を急いだ。
1359mピークの手前に着いて少し晴れ間が広がり始めた。
9:20 清太岩山1464.6mの手前に着いて前方に雪渓が大量に残る稜線が見えてきた。
靄が一部を覆っていてはっきりしないが、寒江岳方面の主稜線が見えているようだ。美しいが恐ろしくも感じる程の残雪の多さだった。登山道はピークを経由して左に折れてユウフン山1565mに向かっている。
9:38 ユウフン山(熊糞山)を過ぎ、靄の切れ目から主稜線の寒江山が見え隠れしている。
10:35靄はなかなか消えないが、一瞬晴れ間が通り過ぎていくところ、沢沿いの斜面にカメラを向けてみた。残雪が造る縞模様は遠くから見ていると美しい。
竜門岳の小屋は要所にあるので一度見ておこうと思い、少し降りになるが小屋へ寄り道していくことにした。きれいな小屋の周りには薄雪草が絨毯のようだった。管理人さんの話では「この先の寒江山の手前にはもっと凄いところがあるから一度は行ったほうが良い」と教えてくれた。私がこれから行くルートのアドバイスとして「西朝日岳を下った所が急で雪も多いので注意が必要でしょう」と教えてくれた。
稜線に戻るため登り返すと、この周辺も薄雪草の花畑になっていた。
この辺で薄雪草の写真などいっぱい撮って余裕を出しすぎたので、時間がかなり押してきた。
龍門小屋から15分ほど登り返して、竜門岳1668mからは主稜線を進む。100mほど標高を下げ、その後は1725mまでの登りに30分汗を流す。大朝日岳のピラミダルな姿がちらりと頭を覗かせている。
西朝日岳に着いたのは13:40だった。すばらしい展望が大朝日岳方面に広がっている。少し食べながら、暫し写真撮影の為の晴れ待ちとなる。その後、ここから進路を東に向ける。
残雪と雪庇の名残が物凄く、冬には想像を絶する積雪と烈風が吹き荒れている事が想像された。急な斜面だけど、軟らかい雪にザクザクと踵を蹴りこんで難無く降りていけて、心配するほどの事はなかった。
中岳に向かうと運よく晴れ間も訪れ、大朝日岳へ続く稜線を綺麗に見渡すことができた。
金玉水の大きな窪地を通り過ぎ、大朝日の小屋に着いたのは15:45だった。
少し遅くなったので、大朝日岳の登頂は翌日に決めて宿泊の手続きを終わらせた。
リュックを置いて雪渓を取りに降り、夕食の準備に取り掛かる。宿泊客は私のほかに男女計2名、夫々単独で、小屋の中は広々と使うことが出来た。時期が少し早かったようで、静かな夜になった。
管理人さんに明日の行程を告げてルートの状態を聞くと、「小朝日岳のトラバースルートは、しっかり雪を削って道を付けてあるので、登らずに行くと良いでしょう」「明日の天気は全般に濃霧か霧雨で回復することは無さそうだから、充分注意して降りて欲しい」とのことで、かなり心配そうな口ぶりだった。
翌日は予報通り濃霧で、朝5:20大朝日岳山頂に立ったが、周囲は白一色に塗りつぶされ全く展望は望めなかった。ケルンと三角点と、ドラム缶半分ほどある大きく立派な御影石の標識が立っていた。
先を急ぎ、前途多難が予想される下山路に向かう。小朝日岳を過ぎて夏道を歩けていれば、後はまず大丈夫だろうと踏んでいた。
尾根の上を忠実に歩いてルートを外さない心算で行くが、周りは真っ白な世界で不安が払拭できない。
案の定、外すとしたらこの辺りだろうと思っていた標高1700m地点、尾根が屈曲した所で沢の方向に外した事に気が付いた。少し登り返して読図とヤマ勘で修正してみたところで夏道が現れたので「ホッ」と一安心できた。
ここから下は夏道が所々に現れてくれて迷う事無く降りて行けた。大朝日小屋の管理人さんの助言通りに、小朝日岳の巻き道もしっかり雪を削ってくれていたので有難かった。
ヒメサユリと真っ白な背景がセットになった風景が、暫く夏道沿いに続いて、8:45古寺山に辿りついた。
緩い下りが続き三沢清水は9:15通過。ハナヌキ分岐着は9:50、ハナヌキ峰の方向へ直進したところで昼食にする。ピークは何処か判らず、どんどん下ると林道終点に12:10着、日暮沢のマイカーには12:50着だった。
帰路、橋を渡った所から見えた月山の姿は、残雪も豊富で迫力があった。いつかまた来てみたい山だ。下見しておきたいところだが、あいにくあまり時間に余裕がない。